m-sms 2018

武蔵大学社会学部メディア社会学科2年次:メディア社会学方法論・松谷ゼミによる年刊ウェブマガジン

パートナーの見つけ方──ペットの未来を守るために

written by 藤田 光咲[edited by 木間瀬 玲央+松本 祐太郎]

 私は子供の頃から犬や猫に囲まれて生活をしている。恐らく、ペットと共に暮らしている家庭は多いであろう。では、そのペットはどこから入手したのだろうか。私は、動物愛護団体から譲渡を受けた。他にも、ペットショップでの購入など選択肢が複数ある。今回は、動物愛護団体とペットショップのそれぞれの良さ、問題点を比較しながら見ていきたいと思う。

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ペットを思うからこその厳しさ

 まず、実際の入手先を確認していきたい。

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 これを見ると、犬や猫もペットショップからの入手が多く、動物愛護団体の利用率は低い。そこが問題点であると動物愛護団体・わんずぺ~す代表の鈴木三枝さんは指摘する。

 では、なぜペットショップでの購入を選ぶのか。それは、愛護団体の譲渡条件の厳しさにある。例えば、高齢者。65歳以上だけの家族はお断りしている団体が多い。何かあった場合を考えているのだ。だが、そういった厳しさによって、団体からの譲渡を諦める人が多い。

 しかし、鈴木さんは、後見人がいれば考慮する形をとっている。他にも「セーフティーネット」をつくる検討をしている。あらかじめ飼い主がお金を愛護団体に託し、もし飼うことが難しくなったときに、団体が面倒を見る制度である。高齢化社会に合わせ、臨機応変な対応をとるよう心がけている。

 逆に、ペットショップで購入し、もしものときがあったらどうするのだろうか。高齢者は特に、今だけでなく先のことを考えなければならない。ペットファーストで考えると厳しい譲渡条件は当たり前である。

愛護団体とお店のフォロー

 動物愛護団体には、ペットショップのような手軽さはない。しかし、トライアル期間を設けている。2週間ほどペットを家で預かり、お試しに飼うことができる期間である。先住ペットとの相性は合うか、ペットが手に負えるか、アレルギー反応はでないかを確認できる。また、里親側が飼育者として好ましいかを判断できる。お互いの合意を得るのだ。

 この期間後、子犬が返ってくる率が高いと鈴木さんはいう。子犬はコロコロしていてかわいい。ところが、無駄吠え・夜泣き・甘噛みが多い。また、トイレ・散歩の仕方、社会性を身につけさせるなど1からしつけをする必要性がある。

 ペットショップはこの期間を設けていない。そして、一度、契約書に記入してしまうと、返すことができない。特に、安易な気持ちで購入した人が心配である。

 さらに、ペットショップには、子犬が多い。この2つの点に対して、なにか対策はしているのか。都内のあるペットショップでは、犬の知識をしっかり得ていて、無駄吠えの対処法、トイレトレーニングの仕方などを教えていた。また、アフターフォローとして、1ヶ月に1回、トレーナーを店に呼び、しつけ相談会を開催している。マンツーマンで指導を行っているので、一匹一匹に合ったアドバイスを受けることができる。トライアル期間の存在を補おうとする努力がみられた。

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ひとつの命と付き合っていくこと

 動物愛護団体とペットショップ、かたちは違うが、どちらからも、ペットの幸せを願う気持ちが伝わってきた。

 世間では、ペットショップは悪いイメージをもたれがちだ。私も、そうであった。ところが、実際に行ってみると、店舗によるかもしれないが、意外に対応がしっかりしていた。命あるものを売り物として扱っている点が気に入らないという気持ちはある。だけれど、需要がある限り、ペットショップは存在し続ける。むやみに否定するのは良くない。

 しかし、ペットショップで購入をする場合、高齢者は、自ら後見人をたてる必要がある。自己責任がより問われることになるのだ。

 ここで、私は1つ伝えたいことがある。動物愛護団体にいる犬や猫を“キズモノ”として見ないでほしい。確かに、団体にいるペットは、何かしらの事情で捨てられた動物である。一部ではあるが、飼い主に捨てられた、虐待を受けたなどが原因で、心に傷を抱えている。私が飼っている、団体から譲渡された犬も、最初は人間不信であった。しかし、向き合っていくうちに、心を許すようになった。結局、一番大切なことは、飼い主の愛情なのである。

 団体は、里親に犬猫を送り出すと、また新しい命を救うことができる。私は、皆さんに団体の手助けをしてほしい。

 しかし、どこでペットを入手するかは、自由である。ペットショップで購入を決めた人は、店を見極めてほしい。店によって、アフターフォローがあるか変わってくる。また、店員の対応をよく見てほしい。動物の知識があるか、親身になって考えてくれるか、売りつけてこないかを。

 ペットのことを守ることができるのは、あなたしかいない。信頼できる場所で、一生のパートナーを見つけてほしい。